海月-KAIGETSU

海月清風静か、金波澹として疲れず 人この景を賞するなし、一擲漁船に付す
海に浮かぶ月影は清く、風は音もなく吹いて、黄金の波はゆったりと流れを止めたようだ。こんな美しい夜景を眺める人もいない。ただ独り、漁舟に身を横たえて、何時までも揺られていたいものだ。江差の海は風波が荒い。それだけに風のない月夜の海の美しさは格別である。詩題は『風恬月朗』。